2026/03/28 15:15


和紙の商品説明に、「3匁」「5匁」「10匁」といった表記を見かけることがあります。

けれど、日常ではあまりなじみのない言葉ですので、

はじめてご覧になる方にとっては少し想像しにくいかもしれません。


そこで今回は、和紙の厚みの目安として使われる「匁(もんめ)」について、やさしくご紹介いたします。

紙の雰囲気や使い心地を思い描きながら選んでいただくための、小さな手がかりになれば幸いです。



◆ 「匁」は、もともと重さを表す単位です

「匁」は、もともと日本で使われてきた重さの単位です。

明治24年の度量衡法では、1匁=3.75グラムと定められました。

つまり「匁」は、本来は“厚さ”そのものではなく、“重さ”を表す言葉です。


それでも和紙の世界では、昔からこの「重さ」をもとに紙の厚みをイメージしてきました。

同じ大きさの紙であれば、軽いものは薄く、重いものはしっかりしていることが多いため、

「匁」は今でも和紙選びの目安として使われています。



◆ 和紙では、「二三判」の1枚の重さを基準に考えます

和紙の「匁」を見るとき、基準としてよく用いられるのが二三判(にさんばん)という大きさです。

二三判は一般的に 606×909mm、およそ 60.6×90.9cm の寸法とされています。


この寸法は、尺貫法でいう 2尺×3尺 にあたります。

また、1尺はおよそ 30.303cm とされており、

二三判という呼び方もこうした昔ながらの寸法感覚と深く結びついています。


和紙の説明で「5匁」と書かれている場合は、

この二三判サイズの紙1枚がおおよそ 5匁=18.75g ほどの重さである、という見方が基本になります。

同じように、10匁なら 37.5g ほどです。



◆ 匁の数字が大きいほど、一般的にはしっかりした紙になります

和紙を選ぶときは、

匁の数字が小さいほど軽やかに、数字が大きいほどしっかりとした印象になる、

と考えていただくとわかりやすいかと思います。


たとえば、薄手の和紙には透け感や繊細さがあり、やさしく光を通す美しさがあります。

一方で、匁の大きな紙は、厚みと安心感があり、包む・貼る・仕立てるといった用途にも向いています。



◆ ただし、「匁」だけで紙のすべてが決まるわけではありません

ここで、ひとつ大切なことがあります。

「匁」はとても便利な目安ですが、紙の厚さをミリ単位で正確に示すものではありません。

紙の厚みや風合いは重さだけでなく、繊維の密度や締まり方によっても変わります。


そのため、同じ5匁の和紙でも、

原料が違えば、手ざわりも、見た目のやわらかさも、感じられる厚みも少しずつ異なります。

和紙らしいふっくらとした表情をもつものもあれば、きめ細やかで引き締まった印象のものもあります。



◆ 厚さの目安

※先述の通り、同じ数字の和紙だとしても、同じ厚さとは限りません。

〜3匁:薄手。

4〜5匁:中薄手。障子紙程度の軽やかさ。

6〜9匁:中厚手。

10匁〜:厚手。



◆ 和紙を選ぶときは、「匁」を入口にしてみてください

はじめて和紙を選ぶ方にとって、「匁」は少し難しそうに見えるかもしれません。

けれど実際には、この紙は軽やかな雰囲気かしっかりした質感かを知るための、やさしい目印のようなものです。


たとえば、透け感ややわらかさを大切にしたいなら、匁の小さな紙を。

しっかりした存在感や安心感を求めるなら、匁の大きな紙を。

そんなふうに考えてみると、和紙選びが少し身近になります。


商品説明にある「匁」の数字は、単なる専門用語ではなく、

その紙がもつ表情や使い心地を、静かに伝えてくれる言葉でもあります。

和紙を選ぶひとときの参考として、そっとお役立ていただけましたら嬉しく思います。